(書評)ヤバい集中力
圧倒的集中力を手に入れたくてこちらを読んでみました。
鈴木 祐(著)
2019/09/18発売
単行本だと¥1540
Kindle版だと¥1386
目次です
▼どんな本?
1日平均で15本の論文と3冊の本を読み(半端ないって)、
2~4万字の原稿を執筆する(そんなんできひんやん普通)、
文献オタクでサイエンスライターの鈴木祐さんによる科学的な集中力の上げ方を説明した本です。
ベースとして使ったのは、ここ数年に発表された脳科学や心理学、栄養学にもとづく数千件を超える研究論文です。いずれも信頼度が高いデータを厳選したのにくわえ、米国とアジア太平洋の主要な心理学者や栄養学者など約40人に行ったインタビューをもとに構成しています。
本の発売が2019年9月なので「ここ数年」というのは2016年〜2019年くらい時点での最新知識、ということになります。そこは注意ですね。
カフェインの取り方や食事法、効果的なルーティンなど具体的な行動をステップで紹介してくれています。
本書は基本的に「〇〇をすると良い。」それは「〇〇の論文で検証され、実に△△%の効果が確認された」のように逐一論文から数値を明記して説明する流れで進むので説得力は凄い。メンタリストDaiGo的なロジハラにも似た圧倒性を感じる。
ちなみに鈴木裕さんによるブログ「パレオな男」も人気らしいʕ•̫͡•ʔ
てかこのブログを隅々まで読むと、本書で得られる知識は大体得られるのでは?という声すらある。
(そんなコメントがAmazonレビューにありました)
本書で得られる知識もそのうち最新研究でアップデートされるかもなので、私もブログを定期的に覗いてみることにしますʕ•̫͡•ʔ
この本で語られる集中力アップの方法はいくつもありますが、特にその中から食事に関するものだけをピックアップし紹介します。
▼カフェインの摂り方
カフェインは脳を覚醒させる効果があり、集中力の増加にもつながることが科学的にも証明されています。
現時点の研究結果は次の通り。
・150~200mgのカフェインを飲むと約30分で疲労感がやわらぎ、注意力の持続時間が向上する
・カフェインの集中力アップ効果は、ベースラインから5%前後だと思われる
ということでカフェインは強力ですが、効果を最大化するために意識したいポイントは次の5つ
- 一度に400mg(缶コーヒー2本)以上摂取しない
- ミルクかクリームを入れる
- 起床から90分は摂取しない
- 「2B-Alert」を使い、自分に最適な摂取量とタイミングを知る
- 緑茶に含まれる「テアニン」と組み合わせる
軽く補足です。
「起床から90分は摂取しない」ですが、
人間の体は朝起きると目が覚めるホルモン「コルチゾール」を自然に分泌するようにできています。(体内に備わった自然な覚醒機能)
目覚めてすぐカフェインを摂るとこの覚醒機能に無理にブーストがかかり、心拍数の上昇、焦燥感、頭痛リスクの増加などの副作用につながり体内のリズムが乱れる。
このコルチゾールの分泌が減り始めるのが目覚めから90分ほどということです。
私は午前中はカフェイン飲料を飲まないようにしました。
次に「2B-Alert」ですが、これはアメリカ陸軍の研究機関が提供するWEBサービスで、前夜の就寝時間と起床時間を入力するだけでその日の最適なカフェイン摂取量と時間帯を教えてくれるすげえサイトです。
しかもメールアドレスを登録するだけで誰でも無料で使えるので、捨てアドレスなどで一度試してみましょう!
全部英語で怖いけど、怪しいサイトじゃないよ!多分な!
Apple WatchやOura Ringを利用している方は睡眠時間も分単位で分かりますので、是非組み合わせてみてください。
ご参考1:著者ブログ「パレオな男」のこの記事!
ご参考2:「2B-Alert」の使い方!
ご参考3:飲料別カフェイン含有量
▼脳に良い食べ物
カフェインだけでなく、普段の食事にも気を使うことで集中力は向上します。
人間はその人が食べるものから出来ている。
カフェインはあくまでブースター的な役割として摂取するのが脳には良く、ここでは普段食べることで脳に良い働きをもたらす食べ物を本書から紹介します。
もちろん脳だけでなく、体調改善や健康にも良い食べ物ですʕ•̫͡•ʔ
- 全粒穀物...例)玄米、オートミール、キヌア
- 葉物野菜...例)ほうれん草、レタス、ケール
- ナッツ類...例)くるみ、マカダミア、アーモンド
- 豆類...例)大豆、ひよこ豆
- ベリー類...例)ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー
- 鶏肉...例)鶏、鴨
- その他野菜...例)玉ねぎ、ブロッコリー、にんじん
- 魚介類...例)サーモン、さば、ニス
- ワイン...例)主に赤ワイン
- エキストラバージンフリーオイル...使用は主に調理油やドレッシング用に
赤ワインが入っているのが意外でした。アルコールいいんか!?ʕ•̫͡•ʔ
ただこちら頻度的には1日グラス1杯(150ml)までにしましょう。とのことです
野菜は意識しないとどうしても食べる機会減ってしまいますよね...
▼脳に悪い食べ物
脳に良い食べ物があれば、逆に悪い食べ物もあります。
まあだいたいは、「でしょうね。薄々と分かってはいましたが。」というラインナップです。
- バター&マーガリン...上限:1日小さじ1杯
- お菓子・スナック類...上限:週に5食
- 赤肉・加工肉...上限:週に400g
- チーズ...上限:週に80g
- 揚げ物...上限:週に1食
- ファストフード...上限:週に1回
- 外食...上限:週に1回
外食は物にもよる気がします。
例えばラーメンとかはいかにも悪いって思いますが、最近では健康志向の店とかも増えてきているので、そういう所ならそれほど神経質にならなくても良いかも。
これら脳に良い食べ物、悪い食べ物のガイドラインは脳機能の衰えを防ぐ「MIND食事法」としてまとめられていて、近年注目を集めている食事法です。
ご参考:こちらのサイト
ご参考2:パレオ
▼その他この本で紹介されていること
- 日記や記録をつけることは超大事
単に進捗管理というだけでなく、都度目標やタスク量を調整し、脳に「小さな報酬」を与える最適な難易度に合わせていく作業が重要。
また反復作業として習慣化することで「自分は出来る人間なんだ」と脳を錯覚させ自分が再定義されていく。
- 自分のルーティーンを作ろう
集中力を高めるための自分のルーティンを作る。
そしてその「ルーティンをした後は必ず集中してタスクに取り組む」ということを繰り返せばそのうち脳が錯覚を起こし集中力を上げられる
例えば「指を10回鳴らす」みたいなめっちゃどうでも良いことでも効果は抜群。
本書ではさらに効果的なルーティンの取り入れやフレームワークを解説してます。
僕、いつの日かイチローになるんだ
- 本能はあらゆる刺激に反応し、かつ超強力。
本能(本書では「獣」)は一瞬で脳の思考回路をジャックする強力なパワーを持っている。
(例:勉強しているときにふと突然お菓子が食べたくなる。とか)
この獣の力を「目の前のこと集中する」という方向に向けることができればやばい集中力が手に入る。本書ではそうするための行動指針や考え方が詳しく紹介されています。
- 理性は本能には勝てない
上記の獣の力は超強力なので、理性的な思考(本書では「調教師」)はそもそも勝つことができない。
しかし、獣の力の角度を変えて操ることはできる。
獣を乗りこなす武器として調教師の力を活用せよ。
ちなみにAmazonの本書のページにいくと、
この本で紹介される「頭が冴え渡るライフハック」がざっと一覧表として見られるので、それだけでも確認してみてください(リンクに誘導ʕ•̫͡•ʔ)